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野球にたとえると
執筆者:林 明文

人事管理の話を野球にたとえて話をするようになると凡庸な内容であるような気がしますし、本質をはずすような気もしますが、あえて人事問題を野球にたとえて話してみたいと思います。


あるプロ野球チームがあるとします。このチームの目標は熾烈なシーズンを戦い抜き優勝することです。優勝するためには、他のチームとの日々の戦いに勝利しなければなりません。そのためには必要な戦力を揃え、育成し、動機つけなくてはなりません。そのためにドラフトで将来活躍の可能性のある新人選手を獲得したり、即戦力をトレードで獲得します。必要な選手を必要なだけ何の制約もなく獲得できればよいのですが、球団は営利団体ですので、お金の制約があります。選手への報酬は一定の範囲内にしなければならないということです。


次のようなチームがあったら皆さんはどう思うでしょうか。選手の平均年齢が非常に高く、30歳を過ぎた選手ばかりです。若手の選手は22歳から25歳までが数名ずついるくらいで他の10代20代の選手はいません。また通常は投手捕手野手とバランスよく人数がいるのが望ましいですが、野手が多く投手が少なすぎます。さらにこのチームでは多少成績が悪くとも甘い査定のために他のチームに比較して年俸が安くありません。年齢の高い選手が多く甘い査定で年俸のダウンをあまりしないので、年俸の総額はかなり高くなっています。さらに選手の人数以外に監督やコーチ、球団職員なども多く在籍しているので、余っているようにも見えます。


このチームは様々な病気にかかっています。まず選手の人数の構成がおかしいです。年俸の高いベテラン選手が多いということです。年俸もあまり厳しく査定されないためチームが活性化できません。それから野手が多すぎ、他のチームとの戦いに支障がでることでしょう。少ない投手を酷使せざるを得ない状況で、そのため投手も打ち込まれることが多く成績が上がりません。野手からみると投手陣のふがいなさでチームが勝てないように見えます。チームが一体になれない原因となります。年俸の高いベテラン選手が多くプライドやモチベーションを気にするあまり、レギュラー争いも実力主義になりきれません。球団全体からみても人が余っていて人件費が無駄にしているように見えます。


このどうしようもない状況のチームを強いチームに変革するには、やるべきことは明らかです。しかもすぐに改革に着手しなければ将来にわたっても弱いチームであり続けるでしょう。強いチームを作るための施策は誰でもが共有できる当たり前の理屈だと思います。このチームを強くするために今の戦力のモチベーションをあげ、育成することが最善の施策と考える人はいないでしょう。そもそも戦うための必要な戦力を整備することなく、モチベーション向上などといっても効果は望めません。選手の入れ替え、査定の見直し、継続的な新人獲得と育成、現有戦力で最大のパフォーマンスのでる配置などを実施しなければ改善の見込みはありません。


この話を企業人事に置き直してみましょう。今の人事の状況がこのチームのような状態の企業はたくさんあります。抜本的な改革なくして競合する企業に勝ち成長をしていくことは困難でしょう。環境や企業が必要としている人事を早急に整備することが経営者や人事部門の役割です。特に最近では人事管理のあり方を抜本的に見直さなくては強い企業に生まれ変われない状況です。強いチームへの変革を強力に推進するリーダーシップが重要ということです。(やはり凡庸なたとえであったような気がします。)



(2010年07月02日 林 明文

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