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何年も同じやり方で仕事していませんか?
執筆者:高柳 公一
通い続けているコーヒーショップがある。
出張など特段の理由がない限り、毎朝7時45分にその店を訪れ、エスプレッソコーヒーを飲んでから職場に向かう。小さいカップにほんの少量だけ注がれた液体の”苦味”が、
仕事モードへの切替スイッチの役割を果たしているかのようで、いつの間にか、そのスイッチを押さずには、職場に向かえないようになってしまった。
長く通っていると、随分と店の”事情”がわかってくる。例えば、新人スタッフは、食器の片付けをしたり、周辺のサポートはしても、直ぐには、店の”売り”でもあるコーヒーマシンを操作する仕事には就けない。行える作業の序列がある。レジも同様で、ある一定期間の後、新人が初めて担当する時は、後ろで先輩スタッフが目を光らせている。
最初は、イタリア語の様々な種類のメニューが頭に入っていなかったり、レジの操作がわかりにくいためなのだろう。注文して、支払いし、レシートとつり銭を受け取るまでの一連の対応が、恐ろしいほど、ぎこちなく、相当の時間を要してしまうことがある。ふと、後ろを振り返ると、長い列ができていたりする。新学期が始まる4月や9月などは、学生がアルバイトスタッフを始める時期なのだろうか、そんな光景によく出くわす。
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毎朝同じ時間にその店に行くにも関わらず、店の混み具合は随分日によって違う。私のような常連客の数には、さほど変化はないが、時々、出張中のビジネスマンなどが、朝食を摂りに団体で入店してくるときなどは、一瞬で”パニック状態”になる。
そんな時、それぞれのスタッフは、一生懸命与えられた作業をしているが、チーム全体としてのパフォーマンスは高まらず、レジにも注文品をサーブするカウンターにも客があふれかえってしまう時がある。
一方、パニック状態のときであっても、あるチームメンバーの時は、実に上手に処理を行う。あうんの呼吸というのは、こういう事をいうのだろう。レジ係が数秒の時間を使ってトレイを移動させたり、レジ係がつり銭を用意している間に、別のスタッフが次の客の注文を聞いたり、使い方を習熟しているスタッフが二人で上手にマシン作業を分担したり・・・それぞれのスタッフが自分の役割を行いながら、同時にほかのスタッフの状況を見つつ必要なサポートをしたり、本来の作業の進め方を少し変えたりして、従来のマニュアルどおりの作業とは違う仕事のしかたで、全体としてよりよりスピーディに処理を行って、みるみる内に並んでいる客の注文を処理して行く。
いつだったか、混雑時に入店した際に、カウンターの前に立ったとたん、注文もしないうちから、いきなりトレイに乗ったエスプレッソが出てきたときには、さすがに驚いた。(毎回、同じ飲み物を注文するからだろうが、やりすぎでしょう! 笑)
新人でない限り、スタッフ一人一人の個別作業の能力にさほど差はない。しかし、スタッフ全体のチームとして従来とちょっと違った仕事のやり方をするだけで、パフォーマンスには、驚くほどの大きな差がでる。
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厳しい経営環境が引き続き続いている。企業はあらゆる角度から経営効率の向上を模索している。組織・人事の管理においても、採用を控え、昇給も抑えていく必要のなかで、企業としてのアウトプットの品質を落とさない仕組みを考えていかなければならない。
本質的なビジネスモデルや業務フローの見直しも必要だろう。
ただ、こうした大掛かりな見直しは、相応のコストや手間を要するもので、厳しい業績に直面している最中では、改革に二の足を踏んでしまう企業も少なくないのが現状である。
しかし、先ほどのコーヒーショップでの例のように、大きなプロジェクトを立ち上げるまでもなく、現場のスタッフがちょっと知恵を出し、工夫をすることで、仕事のパフォーマンスを向上できる余地は十分あるのではないかと、つくづく感じている。
日々顔を合わせて、仕事をおこなっているチームメンバーは通常、決まった役割を持って、所定の仕事を行っている。同じような仕事のやり方をしていては、その作業スピードの向上には限界があるかもしれない。しかし、今までの仕事のやり方をいったん疑って、もう一度、今の環境の中で、あるべき姿を考えてみると、より望ましい仕事のスタイルが見つけられるのではないだろうか。
例えば、
・ 上司の指示が曖昧なために、必要のない作業をしてしまったり・・・
・ 出席者のスケジュールが合わずにミーティングが延び延びになり、意思決定が遅れた
り・・・
・コミュニケーションが不足していて、同じ書類を複数のメンバーで作成してしまったり・・・
・ 保管している書類やデータが整理されていないために、必要な情報を探すだけで、
何時間もかかったり・・。
こうしたムダは、様々な組織の現場で、日常的に散見される風景である。現在行っている業務を、様々な視点から見直すことで、仕事の生産性を上げる余地はかなり残されている。まずは、今、やっている仕事のやり方を疑ってみる・・、そこから始める経営効率化にも大いに期待してよいはずだ。
(2010年04月15日 高柳 公一)
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