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服務規程
執筆者:林 明文
人事のコンサルティングの仕事をしていますと日々様々な企業に訪問します。業種も規模もさまざまで、そこで会う人も実にいろいろな人がいます。また服装などの外見も以前に比較してずいぶん自由度が増したと感じます。企業の考え方や方針によって社員の服装などの外見なども規定していますが、多くの企業では以前に比較して規定がゆるくなってきたということです。黒紺系のスーツでワイシャツは夏でも長袖、ネクタイ着用といった企業から、まったくの私服の企業までさまざまです。クールビス、ウォームビズなどネクタイ着用を推奨しないこともあり、この数年間でずいぶんラフな外見が多くなってきたと感じます。しかしこのようにラフな服装や外見は、企業の営業上問題ない常識的な範囲ということになります。あまりにもラフであり顧客に不快感を与えることなどあると問題だからです。この顧客や周りに不快感を与えない、業務を行うに適当な範囲というのは人それぞれで基準が異なり、だれもが判りやすい基準をなかなか出せません。
先日ひげを生やした社員の評価についての記事がありました。ひげを生やし長髪の社員に対して、営業上問題があるということで人事評価を低くした企業が不当な処遇であるという判決の出た裁判記事です。この判決に至る詳細な状況は良くわかりませんが、民間企業においての外見の基準は、ビジネスの性質や営業方針から決定しているものであり、経営者や管理職の価値判断が重要だと思います。一般常識を推測して、ひげが顧客の不愉快につながらないか否かを真剣に論じること自体にばかばかしさすら感じます。企業の人事管理について重要であるのは、評価や給与、教育を行うことで、よりよいサービスや商品を提供することであり、顧客への価値の向上が結果として社員の処遇を高めることにつながるということです。
会社の服務規程や上司の指導を受け入れないでひげを生やす社員は、業績や能力を向上させることで周りを納得させるべきでしょう。裁判にエネルギーを使い結果として数十万円を獲得することで、ビジネスマンとして何が得られたのでしょうか。人事管理的に見ると一つの方針や考えに基づいた非常識だと思えない服務規程を違反し裁判する気概とエネルギーを、顧客や自分のキャリアに向けてもらいたいということです。特徴ある外見をするのはかまいませんが、ビジネスマンとして能力や働き方、考え方、結果に特徴があるかが重要です。外見だけが特徴的だとすると中身が伴っていないとすら思われます。企業が直面している問題は、サービスや商品の高度化や差別化によって企業のパフォーマンスを高めることです。そのため経営者や管理職はリーダーシップを発揮して、企業価値の向上に取り組むのであり、営業上のリスクや職場の文化やモチベーションを管理しています。ひげが職場の文化やモチベーションに悪影響を与える危惧があるのであれば、個人の嗜好という観点ではなく、経営方針の徹底や顧客満足という観点で、感覚合わせが必要でしょう。リーダーシップは価値観の共有ということでしょうから、この程度の方針に異議を唱えることが、組織としてまた組織の構成員として健全性ということに疑問を感じざるを得ません。
以上
(2010年04月05日 林 明文)
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